研究プロジェクト
「障害の重い人(子ども・成人)への実践と発達に関する アンケート研究」 ―就学前・学齢期・青年成人期のライフステージに関わる支援者への調査を 通してその現状と課題を考える―
<本論要旨>
今回のアンケート調査研究は、「障害の重い」人(子ども・青年・成人)への教育権保障運 動の滋賀県の歴史のまとめ、すなわち、第一弾の研究としての、1960年以降、養護学校教育完全実施年までの福祉分野と教育分野での滋賀県実践と発達保障の運動の歴史に研究の3年前のまとめに学びつつ、「障害の重い」人の支援に関わる今日的状況と課題について、支援に関わる人へのアンケートによって明らかにしようとした。「障害の重い」人に関する支部の研究の第二弾として位置づけることができる。
アンケート対象は、就学前期は、児童発達支援センター2カ所、市役所幼保支援課1カ所、学齢期は、養護学校6カ所、青年・成人期は日中事業支援事業所(共同作業所)・共同生活援助事業所(グループホーム)・生活介護生活訓練事業所・短期入所事業所・居宅支援事業所8カ所であった。
「障害の重い」人の支援に関する今日的特徴として、就学前から青年・成人期のライフステ ージにわたる支援が可能になっていること、そのことに関係した、「障害の重い」人や家族を支える専門スタッフが増え、「障害の重い」人の理解が進んできていることをあげることができる。また、インクルーシブ社会の実現との関係で「障害の重い」人と社会との関係が議論されるようになってきていることもあげることができる。 一方、実践方法や内容、教育評価について、形式的な論が学校等で浸透していることも事実である。このような状況も勘案しながらアンケート調査を実施した。結果と考察は、以下の章立てに沿っておこなった。最終章は今回の結果を踏まえ、支部として検討すべき課題を提起した。
<目次(章立て)>
Ⅰ.今回の研究について ―滋賀支部のこれまでの研究と今回の研究の関係と目的―
Ⅱ.アンケート参加グループ(就学前・学齢期・青年成人期)と各グループの回答数
Ⅲ.「障害の重い」という言葉をどのように受けとめているか
Ⅳ.実践や関わりで「大切」にしている事
Ⅴ.実践における「悩み・苦労」について
Ⅵ.実践に「手ごたえ」を感じる時とは
Ⅶ.実践として深めたい課題とは
Ⅷ.改善すべき制度上の課題とは
Ⅸ.各ステージに関わっている支援者等は今回のアンケート結果をどのように受けとめたか
Ⅹ.本調査結果等を踏まえた支部としての課題と取りくみ